これまでも「一番好きなアニメは?」と聞かれたら「響け!ユーフォニアム」と答えています。
1年半前のアマプラでユーフォを知った私は、昨年8月のアンコン編でようやく「リアタイ」に合流できました。
リアタイでの臨場感に至高の尊さを堪能し、4月から始まった三期も、毎週のつらたんな展開に一喜一憂してきました。
このように沼を深め、ついに読み始めたユーフォ原作。
最終楽章を読む前のアンコン編まで原作を読み進め、そしてアニメは8話終了時。
この時点での自分の希望的観測エンドを、次のとおり妄想して下書きしておいていました。
アニメ終了後に再度みて答え合わせしたかったので。
原作未読中な当時の自分のユーフォ希望的観測エンド
北宇治は全国大会に出場する。ユーフォソリ枠は真由。
金賞より重要なことに気付いた久美子は真由のソリを受け入れるとともに、真由の存在を北宇治の一員として認めさせるために部長として奔走する。
久美子はアンコンで「純粋にアンサンブルを楽しむのって、部長としての自覚が足りないかな」と言っているので。
久美子は滝先生や麗奈にも、金賞よりも大事なものの存在を気付かせる。
「アンタは悔しくないわけ?」に3年越しで答える。気付かせてくれるのは緑や秀一なのでは。
なぜなら、三期のテーマは
「責任を全うするために何かを犠牲にしてきたはずの晴香先輩や優子先輩の偉大さを実感すること」
「音楽とは音を楽しむ、それは上手い下手よりも大事なこと」
だと想像したからです。
その後アニメは10話を前にして、つらたんに耐えかねた私はとうとう先に原作でユーフォを完走することにしました。
原作での完走により、私の希望的観測は高い解像度で一蹴されました。
原作では久美子の望みは、久美子の努力もあり成就。
うれしい誤算でした。
アニメも原作通りの結末になることを、12話が終わるまでは疑いもしませんでした。
原作一番のクライマックスな久美子の演説も、時系列的に関西大会前にずれただけで、アニメでもその演説の素晴らしさは表現されていました。
そして迎えた12話。
神回でした。
今日までの感想が全てただの前置きとして消し飛ぶぐらいの衝撃でした。
原作と結論が変わるという予想は毛頭考えてないので、冒頭で再オーディションというフェイントが入った時から、この回の終始原作にないアニオリ展開にピリピリした緊張感を覚えました。
再オーディションに臨む久美子と真由、そして他の部員が感じる緊張感が、この展開を予想していない既読勢として増幅されていたのでしょう。
真由と久美子が最終オーディションのホールで麗奈の横を通ったときに、真由は麗奈と言葉を交わしましたが、久美子は交わしません。
これはオーディションは個人的なつながりで決まるものじゃないということを示す、久美子の真由に対する配慮。
あの2年前のトランペットのオーディションで麗奈に「裏切ったら殺していい」と誓ったときと同じロビーで、久美子が真由に語った本音。
ようやく久美子が本心を話し、真由も本音を見せ、実力を出してもらえそうな雰囲気になります。
青オケのときにもあった、奏者目隠しの音だけオーディション。
今回は視聴者にもどっちがどっちか明かされません。
私はどっちを全国に選ぶべきか、という考えを持たずに見ていました。
原作を読んでいるので、久美子が選ばれるということを知っていたからです。
どちらが久美子か?という視点で視ていて、私は真由が1番で久美子が2番だと思いました。
2番のほうが麗奈が気持ちよく吹いてたように聞こえたからです。
だから、誰がどちらに挙手したか?は、私にとっては「久美子はどっちか?」の答え合わせでした。
2番を選んだ奏ちゃんも緑輝も秀一も、きっとどっちが久美子の演奏か分かったんでしょう。
緑輝は音楽として全体の雰囲気を重視するし、秀一はどんな時も久美子のかたわらだから。
なぜか奏ちゃんが葛藤していた様子が気がかりでした。
なのに、一番久美子の演奏を分かっているはずの麗奈が選んだのは1番。
ここで私はようやく「真由がソリ」となることを覚悟しました。
この世界観がアニオリだということに、やっと気付いたからです。
そして奏ちゃんが見せた葛藤とは、実力主義によって北宇治で居場所を見つけたはずの奏自身が、初めて情を優先しなければならなくなったから…と後になって解釈しています。
その後の久美子による演説。
真由のためです。
今振り返れば、原作では本来この場付近にあったはずの久美子の演説を、アニメでは関西大会前にしたのは、今日のこの久美子の演説を真由向けにするため…
そして一期第1話
久美子「本気で全国行けると思ってたの?」
麗奈「アンタは悔しくないわけ?」への3年越しの返事となる…
「死ぬほど悔しい!」
やはり京アニは凄い。
真由から久美子の視点に戻った私の脳は焼かれ、既読勢なのに容赦なく尊死です。
そんな私にとっての救いは、この世界観は、自分の希望的観測エンドに少し近くなっていることです。
「アンタは悔しくないわけ?」への久美子の3年越しの返事。
真由を北宇治の一員として認めさせるための久美子の演説。
全国出場以上に大事なことを久美子から教わった滝先生。
いや、もし2週間前に原作を完走してなかったとしたら逆に、この12話で尊死するほどの境地に達することもなかったのでは…
と思うと、2週間前に既読勢に合流したことに何の悔いもありません。
既読勢として受けた衝撃と、感じた既視感の正体。
2週間前に原作を読了したばかりの既読勢として受けた、ユーフォ3期12話のアニオリギャップのインパクト。
未読時だったつい最近まで、私はソリは真由と予想してましたし、またこのアニオリは未読時の自分が予想した世界観に近いこともあって
思わずちらっと「こんなに衝撃うけるなら、原作読まなかった方が良かったのか?」と思ってしまいました。
すぐにそんな自分を恥じ入り否定しつつも、その心境には既視感を覚えました。
既視感の正体はすぐに「CLANNAD After Story最終話直前の朋也」だと気付きました。
CLANNADは人生と言われます。
あまりにも辛いこれまでを振り返り朋也は一瞬「渚に声をかけるべきではなかったんじゃ?」と仮説を立てました。しかしすぐに否定し、渚に出会い一緒に過ごせたことへの感謝を思い起こしたことが、奇跡につながりました。
After Storyの18話はアニメ史最強の泣ける場面と言われますが、私はこの最終話も同じぐらい好きです。
すぐCLANNAD After Story最終話を視聴。
違う種類の熱いものが頬を伝い、朋也のお陰で、ユーフォ原作を読了して受けた12話の衝撃の尊さを悟りました。
むしろ原作を読んだことで、アニオリとの対比が分かる。
だから、久美子の「死ぬほど悔しい」に深く共感出来る。
これがリアタイ…
ユーフォ、原作を駆け込みで読了して、本当に良かったと改めてかみしめました。
久美子と共にこの悔しさを悔しさとして受け止めて、今後の久美子の成長を実感するために、晴れやかな気持ちで最終回に向かいます。
好きなアニメをリアタイ出来る感慨もあと1話。
ユーフォを知れて本当に良かったです。
また、CLANNADを回想したことで
重要な個所を改変した京アニの意図、というか想いを推察
することができました。
その推察した京アニの想いとは、私の考えなので人には申せませんが、もし私の推察通りなら、アニオリの世界観はやはり私が思ってるものと同じです。
いよいよ最終回、来週で完結を迎えます。
ここまで来たらもう既読勢が未読勢に対して原作ネタバレを心配する必要はありません。
全国大会ではどんな結果もあり得るし、極端な話、久美子が滝先生と付き合う可能性だってゼロじゃない。
京アニが最大手。
でも、私が勝手に希望的観測で考えてる世界観だと、最後は久美子たちは
心ゆくまで音を楽しむ
ことが、それぞれが北宇治の3年間を過ごした自己の実現の集大成になると思っています。
「純粋にアンサンブルを楽しむのって、部長としての自覚が足りないかな」
出来れば最終回で、原作の中から1ヶ所だけで良いので、ぜひ京アニさんに描いて欲しい描写があります。
最終楽章の中で私が久美子の演説とならび一番気に入ってるシーンで、それは全国大会の三日前のことです。
時系列は変わると思いますが、是非このシーンで、
もし最終回で「響け!ユーフォニアム」が演奏されたら、私は尊死できます。
音を楽しむと書いて音楽なので。
最終回前日追記
真由「その曲、やっぱり素敵だね」